春たけなわ ― 2024年03月18日
晩春を思わせるぽかぽか陽気である。寒の戻りの予報もあるがお彼岸前とは思えない暖かさである。ソメイヨシノの蕾は固いが、枝垂れの蕾には紅がさしていた。品種は分からないが1本だけ花を付けていたものがあった。
姫ヶ獄の沖合を埋立る工事が始まっている。中程まで仕切りの砂山ができあがっている。工事現場がよく見える本丸に三椏の花が咲いていた。この花は静かで朧に見える。
模様替え進まぬうちに春彼岸
点鬼簿に載りし友あり春彼岸
春浅き近江路 ― 2024年02月16日
札所満願記念に高野山をと思ったが、寒気の予報で彦根にした。思えば彦根も冬は伊吹颪の厳しい寒いところである。澤田ふじ子の小説でよく描かれていた。案の定、駅から彦根城までの道は冷たい風の出迎えだった。
彦根城の山は松山ほど大きくないが、城郭(櫓門、天守等々)がよく解る。天守はどの城もあっけないほどこぢんまりしている。
城郭から残雪の比良、伊吹が美しく見えた。
寒いとは言えもう春、梅が美しく咲いていた。
車窓から春浅き近江平野を眺めて芭蕉を思った。ただ,芭蕉は草津から近江路を往還したのだろう。春も終わりに「行く春を近江の人と惜しみけり」の句がある。
春浅き近江路では
近江路の野良に人無し浅き春
残雪の比良の山々青霞
城山紅葉山 ― 2023年11月05日
3連休の最終日、暖かい日が続いている。城山の紅葉がたけなわである。親知らずの柿の実も葉も赤く色づいている。となりの櫨も赤く色づいている。今年は秋になっても暖かく色づきはいまいちであるがやはり秋である。
城山や紅葉も生える空の蒼
秋深し ― 2023年09月29日
城山は秋たけなわである。昨年見つけた平和像裏の柿も色づき、散歩道には露草の青紫、萩の薄ピンク、すくとした芒が見られる。
一枝の萩一房の花の揺れ
足場なき崖に芒はすくと立つ
畑には赤・白の彼岸花が除草剤の跡地も逞しく花を開き、奥には藤袴のピンクの蕾が見える。浅黄斑蝶も楽しみである。
枯地にも妖しく開く彼岸花
もう秋 ― 2023年09月07日
朝練には法師ゼミの声すら聞こえず微かに虫の声がするようになった。もう秋である。遅くなった日の出の光は真横に木々を照らし、その影が長く伸びている。光の強さも弱くなった気配である。
平和の像の前の桜の葉には黄色が混じり、どんぐりが道ばたに落ちている。
アベリアやカラスウリはやつれながらも未だ花を付けている。
新涼や朝の厨の独り言
瀬戸内の沖待つ船や秋澄り
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